里山のいとなみを体感するフィールド

里山のいとなみを体感するフィールド 2024.03.28

Satologueの敷地にもともとあった、幾つもの巨大なコンクリートの生け簀。ここでは昭和初期まで養殖業がいとなまれていました。これらの生け簀に水を運ぶ水路が、敷地内をぐるりと走っています。その水路は、裏手の清見滝から水を引き、勾配だけを動力として水を流し、敷地内に10個ほどある生け簀の全てに均等に水を溜めることのできる養魚用の給水システム。先人たちの知恵の結晶です。川の水をちょっと間借りして、その流れに沿っていとなみをつくり出し、最後は水を川へとお返しするという里山の循環。人のくらしが近くにあることで、生態系が豊かになるというのが、里山の自然環境の特徴といわれます。例えば奥多摩には、一般的なゲンジボタル、ヘイケボタルの他、ヒメボタルなど陸生の蛍も見られます。それは蛍の幼虫の餌となるカワニナが生息しているから。そしてそのカワニナの餌は、人のくらしから流れ出た生活排水の養分、という具合です。

この庭では、もともとこの地域にいた動植物にとって健やかな環境を目指し、生態系に大きな影響が出るような外来種を故意に持ち込むことはしません。在来種がのびのびと育つよう、全ての生き物の土台となる土は、地元のものだけを使用しています。また、コンクリートの生け簀に水抜きのための穴をいくつか開け、最下層には炭や砂利を、そして敷地内で伐採した枝葉を敷き詰め、その上に土を盛って、土中の健やかな環境を保つ工夫をしています。これらの良い土をベースに、自家農園とビオトープを造成しています。

お食事の前には、この奥多摩の生態系と里山のいとなみを体感できるフィールドをスタッフがご案内いたします。ぜひ、奥多摩の動植物とふれあいにお越しください。

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